ここでは補助金支援について解説します。
事業計画の実現に向けて
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が続く中、補助金申請の支援に関するご相談が多くなっております。
特に、起業直後や起業5年以内の創業者の方には、多種多様な中小企業向け補助金が公募されており、申請への関心が高まっております。
R3年1月以降に当社へご相談は、国の補助金であります「小規模事業者持続化補助金(普通型・コロナ対応型・低感染リスクビジネス枠)・事業再構築補助金」等や、東京都の補助金であります「創業助成事業等」の申請の支援依頼です。
ご相談は、「補助金申請がしたいので、申請書等の作成支援をお願いしたい」、「自力で申請したが不採択だったので、確実に採択を得られる支援をお願いしたい」との緊急の依頼内容が多くあります。
審査の対象となる「事業計画書」の作成は、申請する本事業の内容について、戦略的なストーリーをもっての作成でないと採択は困難とお伝えしています。
この戦略的なストーリーの構築に係るビジネスアイディアの創造や実施方法・市場分析等は、申請される方が主体となって、その骨格を示して頂く必要があります。
それをベースとして、採択可能なレベルに引き上げることが、当社のご支援内容とさせて頂いております。
これまでの補助金の採択実績について
当社(専属の行政書士事務所の実績含む)における補助金の採択実績は、2017(H29)年以降、国・東京都の補助金申請支援において、ご支援させて頂いた 案件は、結果として100%の採択(採択実績32件)を得ております。
不採択のリスクが常にある中で、100%の採択が得られたのは、当社の支援によるものだけでなく、申請者の方々のご努力とご協力を頂いたことが、この成果 につながっております。
これからも、「補助金申請は採択を得るための最大限の努力を怠らず」の初心を大切に、ご支援させて頂きますことが、当社の使命と心掛けております。
採択される事業計画書の虎の巻
申請する内容が「事業」として成立(収益)しているか
- 事業の意図・背景・スト-リー性
本事業を始めようとする意図は何か、また、事業を行う理由は何か - 市場性・実行可能性
対外的には、取組む事業の市場成長性及び競合店の状況いかん
対内的には、保有資源や実施体制・保有ノウハウ等により確実に取組が可能か - 収支・採算性
事業実施後の効果として、①売上額・利益が確実に増加できるか、②設備投資に対する資金回収は確実にできる事業内容であるか
事業計画書は、審査側が理解できる内容となっているか
- 理解・共感
事業実施の意図・背景や事業の効果が審査側の理解・共感を生む内容となっているか - 事業の意図から実施までの一貫性
事業を計画する意図と事業内容・導入する設備・技術・サービスなどが本事業の取組に一貫しているか - わかりやすさ
審査側にとって、事業の内容が理解できる工夫を施されているか
「採択と審査項目」について
各補助金の申請にあたって、各公募要項に沿って、申請書類を提出しても、要件審査において、採択されないと補助金の交付は受け取れません。
当社が令和3年以降に支援しました「小規模事業者持続化補助金の<一般型・コロナ特別対応型・低感染リスクビジネス型><東京都創業助成事業>等」の補助金申請支援におきましては、結果として、申請支援のすべての案件において、採択を得られました。
しかしながら、事業計画書(経営計画書)の作成に当たっては、採択を得るためには、審査レベルの難易度は、「相当高い」と実感しており、申請者の事業内容が具体的な内容であり、かつ、実現できるものでない場合には、専門家(行政書士・中小企業診断士・税理士等)に依頼しても、苦戦することが少なくありません。
「採択と審査項目」に小規模事業者持続化補助金の募集要項の審査項目は、次のとおりです。
- 基礎審査
① 必要な提出資料がすべて提出されていること
② 補助対象者及び補助対象事業の要件に合致すること
③ 補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
④ 小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること - 加点審査
経営計画書・補助事業計画書について、以下の項目に基づき加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順に採択を行う
① 自社の経営状分析の妥当性
◆自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか
② 経営方針・目標と今後のプランの適切性
◆経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか
◆経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか - 補助事業計画の有効性
◆補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか
◆地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか
◆補助事業計画に、小規模事業者としての創意工夫の特徴があるか
◆補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか - 積算の透明・適切性
◆事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか
1~4を踏まえて、採択されるための作成上の留意事項
加点審査における項目は、いずれも抽象的な表現であるため、「何をどう書けばいいのか、わからない」といったご相談が少なくありませ ん。
単に、記入例に沿っての記述では、審査で不採択の結果となります。
「それでは、どう作成すれば、採択されるのか」のご照会については、業種によって異なりますが、経営計画書及び補助事業計画書の作成プロセス・内容のつながりと関連性が特に重要となります。
作成上のヒント
経営計画書及び補助事業計画書 について、何を書けば良いのか、ここでは簡単に解説します。
経営計画書
企業概要
- 沿革:開業以降の大きな出来事事業(開始、資格・許認可の取得、事業所移転、法人化、表彰歴等)
- 事業内容:主な商品・サービス、店舗情報、顧客層、取引先、競合先等の概要
- 業況:直近3~5年の売上・利益の推移・傾向のグラフ化、写真等は必須
→自社の経営状況・財務分析の妥当性を審査
顧客ニーズ
- 課題の掘起し:顧客の意見や要望などからニーズの把握
→顧客からの聞き取りや業界ニュースなど、客観的な資料に基づき記述が必要
市場の動向
- 自社を取り巻く「めぐる事情」や自社の商圏の動向
→商圏内の競合他社の状況や直近の業界のトレンドと課題
自社や自社が提供する商品・サービスの強み
- 自社(経営者)の強み
→実績・魅力・特徴などの裏付け資料(写真・表彰・記事など)
→自社の製品・サービスや自社(経営者)の強みを把握しているか
経営方針・目標と今後のプラン
- 自社の強みをについて、今後、どのように伸ばしていくのかの方針を示す
- 掘り起した顧客ニーズと市場動向を今後どう捉えて、経営方針・目標を定め、「今後のプラン」につなげていくのか
→最重要ポイント:目標とプランは、申請事業者の市場(商圏)動向を踏まえた、戦略的プランとなっているか
→3~5年先の事業収支計画書(目標顧客数・目標売上高・目標利益率等は必須)
補助事業計画書
作成にあたって
- 経営計画書の内容を反映した「補助事業計画書」であるか
- 「補助事業計画書」は、現在から将来に向かっての計画となる
補助事業で行う事業名
- 「地道な販路開拓等の取組であること」に合致させることた「補助事業計画書」であるか
販路開拓等の取組内容
- 「自社の強みを活かした事業」であるとともに、「市場のニーズを捉えた事業」であることを強調する
- 取組の手順と経費の項目・内容・使途及び補助事業スケジュール
→事業の概要は、背景・経緯・狙い・効果等を説明
課題解決につながる事業であり、経営目標・今後のプランと合致した事業であることを説明(事業の裏付け添付)
補助事業の効果
- 事業の優位性
⇒「他社にない事業の優位性」を数値で示す - 事業の効果
⇒直接的効果と間接的効果に分けて数値で示す
→新規顧客の拡大→売上額増加→利益拡大
→自社の評価拡大→商店街への効果→顧客へのサービス拡大
まとめ
補助金の採択を得るためには、「何をすればいいか」については、上記の審査項目を踏まえて、次のとおりです。
- 審査員が納得するストーリー作成
審査員に「理解しやすいストーリー(何を、どう、伝える)」の作成 - わかりやすい図や写真
審査員へ訴えかける複合グラフや図、写真を採用する。 - 事業計画の明確化
事業収支計画をしっかり作成し、補助金が採択されればどの程度売上が伸びるのか、根拠とともに明確に表現する。
申請する補助金(特に、事業再構築補助金)によっては、審査項目が異なりますので、具体的な作成手法等につきましては、ご相談・お問合せください。
申請から採択、実績報告までフルサポート
申請から採択、そして、採択後(交付決定通知)の手続きとして、要項で定められた事業期間に事業を実施して、期限内に事業報告の手続きがあります。
その内容審査をクリアして、やっと補助金の交付が行われます。
提出書類等の内容に不備があれば、提出後、6ヵ月以上の後に振り込まれた事例も少なくありません。
申請支援をご希望され、採択された方のうち、実績報告までの支援の依頼も少なくありません。
ご希望される方に対して、当社は、本申請の申請支援に加えて、採択後の事業開始・実行・完了に関するアドバイスと事業完了後の実績報告まで、フルサポートをさせて頂いております。 なお、実績報告の代理委任の提出はできませんので、ご申請者の申請となりますので、ご留意ください。(なお、費用は、支援方法により異なります)